
ベルリンに引っ越してきてからというもの、ベルリン・フィルの演奏会を聴いたのは恥ずかしい話、たった一回しかありませんでした。
ベルリンに暮らしているのにベルリン・フィルを聴かないのはもったいないと人からよく言われましたが、僕はベルリン・フィルを最初に聴くときは、「絶対、今の音楽監督サイモン・ラトル指揮で聴く!」と決めていたので、その時、偶然に頂いたチケットでラトルの演奏に接することが出来たのはラッキーでした。
しかしながら、その時の演奏があまり僕の趣味と合わなかったのか、「ベルリン・フィルのサウンド」を堪能するところまでは至りませんでした。
インターネットで聴きたい公演があっても、直ぐに完売してしまうし、ましてや前音楽監督のクラウディオ・アバドの公演ともなると、年に一回、二回しか振らないので、すさまじいチケット争奪戦が繰り広げられます。
先日は偶然にある知人からの招待で、この公演チケットの発売初日で3公演全てのチケットが売切れてしまったというアバド指揮ベルリン・フィル演奏会のGP(通し稽古)を聴く事が出来ました。
やはり世界トップのサウンドは違いました。。。
以前、ラトル指揮では感じなかった押し寄せてくるようなサウンド、ベルリン・フィルの団員が全幅の信頼を寄せるアバドのタクトから紡ぎだされる音楽、「ああ!これこそがベルリン・フィルなんだ。ああ、今、僕はベルリンにいるんだ!」と、つくづくこのオーケストラの街で暮らしていることを感じた幸せなひと時でした。
*写真はGPの後に聴いたゲルバーのピアノリサイタル